期間工って結局なんなんやろ?
派遣社員とはまた別?? 雇用形態はどーなっとると??
目次
期間工はトヨタの直接雇用の契約社員
〜期間工の特徴〜
- トヨタの直接雇用になる
- トヨタの福利厚生を受けることができる
- 失業保険の待機期間が短い
- 正社員への道がある
期間工はトヨタの直接雇用
期間工の雇用形態は契約社員です。
トヨタと直接契約している形となり、いわば期限が設けられたトヨタの社員となります。期間工はトヨタに直接雇用されているため、給料は直接トヨタから支払われ、福利厚生もトヨタのものを受けることができます。
期間工には、「期間従業員」「期間社員」「臨時従業員」など様々な呼び方があります。明確な決まりがあるわけではありませんが、どれも期間工を指す言葉です。古い言い方では、「季節工」や「臨時工」と呼ばれることもあります。
トヨタでは、公式サイトにて期間従業員と記載されています。
期間工は失業保険がすぐにもらえる
失業保険
失業保険とは、会社を退職した際に国からもらえる手当のこと。失業保険は、申請後に一定の待機期間を経て支給される。
失業保険の支給には、退職以前に12ヶ月以上働いていた(雇用時保険に加入していた)実績が必要。
(きゅうりマンの雇用保険受給資格者証)
期間工で働くことで、契約満了で退社した後に失業保険をすぐにもらえることができます。
なぜなら、期間工の契約満了で退社した場合は、会社都合での退社と見なされる場合が多いためです。
図の左のように、会社都合で退社した場合、7日間の待機後にすぐ失業手当をもらうことができます。
退社後すぐに失業手当をもらうことで、期間工→失業手当→期間工→失業手当の生活を繰り返すことも可能です。
期間工は正社員への道がある
期間工は、正社員登用試験に合格すると、晴れてメーカーの正社員になることができます。トヨタの期間工が正社員登用試験に合格すると、トヨタの正社員になることができるのです。
派遣社員の場合は、トヨタ直接雇用ではないため、正社員になることができません。派遣社員から正社員を目指すためには、派遣社員→期間工→トヨタ正社員と、1ステップ挟むことになります。
派遣社員は派遣会社の社員
〜派遣の特徴〜
- 派遣会社の社員としてトヨタへ出向く形になる
- 派遣会社の福利厚生を受けることができる
- 失業保険の待機期間が長くなることが多い
派遣社員は派遣会社の人
派遣社員は派遣会社の社員です。トヨタで働くとしても、トヨタの直接契約ではありません。派遣会社所属の人がトヨタに出向いている形になります。そのため、給料は派遣会社から支払われます。
派遣社員は派遣会社に雇用されているため、福利厚生も派遣会社のものになります。
失業手当をもらうまでに待機期間ができる
派遣社員として働き、退社した場合は、失業保険の給付まで期間が空きます。
派遣会社の退社は、自己都合での退社と見なされる場合が多いためです。
派遣会社の社員でいると、仮にトヨタでの勤務期間が終わっても、すぐに次の仕事を回せる状態にあります。そのため、退社する際には、「自己都合での退社」と判断される場合が多いです。
図の右のように、自己都合での退社となった場合は、失業保険が支給されるまで7日+3ヶ月間の待機期間があります。失業保険が支給されるまでの3ヶ月間は無収入となるため、派遣社員と失業保険を繰り返すのは難しいでしょう。
派遣社員は派遣切りの可能性?!
派遣社員は、いわゆる「派遣切り」に遭う可能性があります。
例えば、同じトヨタの工場で働いている人でも、トヨタの正社員や期間工はトヨタ自動車の社員です。しかし、派遣社員は派遣会社の社員です。
もし、業績の悪化で、トヨタが人員を削減するとなった場合には、派遣社員から順に切られていく可能性が高いです。
大規模な人員削減の場合は、期間工も安心ではありませんが、比較すると派遣社員の方が立場が危ういのです。
トヨタで期間工と派遣の違いを比較
出典:期間工.jp
- 月収例:¥281,090〜¥318,000
- シフト:2交替制
- 勤務時間:(1)06:25〜15:05、(2)16:00〜00:40
- 休日:週休2日(土日)
- 勤務地:愛知県の工場
- 寮費水道光熱費:無料
- 仕事内容:プレス,ボデー溶接,塗装,エンジン部品製造,組立,検査
出典:工場求人ナビ
※現在は募集しておりません
- 月収例:28.8万〜34万円
- シフト:2交替制
- 勤務時間:(1)06:25~15:15、(2)16:10~01:00
- 休日:週休2日(土日)
- 勤務地:愛知県の工場
- 寮費水道光熱費:無料
- 仕事内容:組立,塗装,プレス,鋳造,溶接
・・・あれ?
月収例のとこ、派遣の方が高いんやないと??
期間工には満了金がある
上記の例をみてみると、派遣社員の方が給料が良いように見えます。
しかし、期間工には満了金の制度があります。
満了金とは、契約期間を満了した時にもらえる手当金のことです。派遣社員には、そもそも「契約期間満了」という概念がないため、満了金は基本的にありません。
トヨタ自動車では、満了慰労金と満了報奨金があります。どのくらいの金額になるのか確認してみましょう。
出典:期間工.jp
トヨタの期間工では35ヶ月の満了で、なんと約300万円の満了金が出ます。満了金の金額はメーカーにもよりますが、トヨタは特に満了金が大きい会社です。
仮に、期間工の月収が30万円、派遣の月収が34万円とします。月収だけ見ると毎月4万円、年間で48万円も給料に差が出ることになります。
しかし期間工は、6ヶ月満了で約39万円、12ヶ月満了で約48万円の満了金が入ります。
期間工 | 派遣 |
30万×12ヶ月=360万円 | 34万×12ヶ月=408万円 |
6ヶ月満了39万円 | |
12ヶ月満了48万円 | |
計447万円 | 計408万円 |
一見派遣の方が給料が高いように見えても、満了金もきちんと加算して考えると、期間工の方が多く稼ぐことができます。
このように、一般的には派遣社員より期間工の方が稼げるケースが多いです。
※上記はあくまでトヨタの一例です。
近年では派遣会社の頑張りにより、期間工との差がほとんどない求人が増えてきました。満了金の分を補うように基本給を高くしたり、満了金に似た手当金を給付している求人もあります。派遣を検討している方は、しっかり注意して求人票をみる必要があります。
まとめ
期間工(契約社員)と派遣社員では、そもそも雇用形態が全く違います。
しかし、労働条件や待遇は似たようなものが多いです。給料が派遣会社を経由していく分、直接雇用の期間工の方が高給料になる傾向にあります。しかし、近年は求人によってその差がほとんどなくなっているものもあります。
長く働きたいなら派遣社員でも良いかもしれません。でも、安定を求めるなら期間工で正社員を目指すという手もあります。正社員登用試験に合格しなければなりませんが、大手自動車メーカーのブランドや安心感は、社会的信頼もあります。
僕は正社員は目指さないけれど、失業保険の件も考えて期間工で応募します!