基礎知識

期間工として働くなら直接? 派遣? 派遣会社経由との違いとは?

工場で働くには、企業から直接雇用される方法と、派遣会社から派遣される方法があります。特に未経験の方は、どちらが良いか分かりませんよね?

ネットで調べると、「派遣社員は良くないよ!」「派遣会社経由した方が良いよ!」と、両方の意見があり、どっちだよ!と言いたくなると思います。実はこれ、どっちも正解なんです
期間工として働くなら、派遣社員は条件が良くありませんが、派遣会社を経由した方が圧倒的にお得です。いまあなたの頭の中は「????」となっていると思います。

このページでは、直接契約社員と派遣社員の違いについて、徹底的に分かりやすく解説していきます。

直接契約社員と派遣社員はどう違うのか

直接契約社員派遣社員は、そもそもどう違うのでしょうか。二つの違いと、第三の選択肢「派遣会社経由の直接契約」についてみていきましょう。

1.直接契約社員(期間工)

直接契約社員は、働く工場の企業と直接契約します。そのため、雇い主は直接契約している企業です。企業と直接契約を結び、働く期間が決められている契約社員のことを期間工といいます。企業の社員となるので、社会保険や福利厚生はその企業のものになります。

給料は、企業からあなた(従業員)に直で払われるため、支払われた分を全部でもらうことができます。

2.派遣社員(期間工ではない)

派遣社員は、派遣会社と契約します。そのため、雇い主は派遣会社です。派遣社員は、どの企業で、どの工場で働こうともその派遣会社の人間です。ゆえに期間工とは呼びません。社会保険や福利厚生は派遣会社のものになります。

給料形態としては、依頼元の企業が派遣会社にお金を支払い、派遣会社の利益分を抜いてあなた(従業員)に支払われることになります。

3.派遣会社経由の直接契約(期間工)

そしておすすめなのが第三の選択肢、派遣会社経由の直接契約です。実はこれがもっともお得であり、現在の主流となっている方法です。ここで言う派遣会社とは、職業紹介の仲介サイトのようなものをイメージすると分かりやすいかもしれません。代表的なものとして、期間工.jpや工場ワークスなどがあります。

派遣会社を経由して、企業と雇用契約を結びます。雇い主は企業になるため、社会保険や福利厚生は企業のものになります。

最大のメリットは、祝い金をもらうことができることです。この派遣会社は、人材を集めることが目的であるため、祝い金を出すことによって人材収集に力を入れています。ここでいう派遣会社は、人材を紹介するのが目的であり、給料の中抜きは行われません。企業で働いてしまえば、あなたとの関わりはほとんどなくなります。

冒頭に書いた「派遣社員は良くない・派遣経由が良い」とは、この状況ことです。この方法をとることによって、派遣会社を経由するが派遣社員ではない状況になることができます。これがごちゃごちゃになって「派遣が良い、悪い」などと分かりにくくなるのです。

直接・派遣・派遣会社経由の違い

直接契約社員派遣社員と、派遣会社経由の超苦節契約社員。その3つは何がどう違うのかをみていきましょう。

直接・派遣・派遣会社経由の違い

それぞれの違いを分かりやすく表にまとめてみました。

1.直接契約社員 2.派遣社員 3.派遣会社経由の
直接契約社員
雇用形態 期間工 派遣社員 期間工
雇い主 工場(企業) 派遣会社 工場(企業)
社会保険・福利厚生 工場(企業) 派遣会社 工場(企業)
祝い金 なし なし あり
失業保険 待機期間なし 待機期間あり 待機期間なし

1と3は、どちらも直接契約の社員(期間工)となるため、条件はほとんど同じです。具体的に掘り下げていきます。

直接契約社員(期間工)と派遣社員、どちらが稼げるのか

直接契約社員と派遣社員では、どちらの方が稼ぐことができるのでしょうか。上記の表で言うと、1と3は直接契約社員(期間工)、2は派遣社員となります。

より稼ぐことができるのは、直接契約社員(期間工)です。時間当たりの給料も大きい上に、様々な手当がつきます。年収換算すると、倍近くになる場合もあります。以下一例です。

〜直接契約社員(期間工)年収例〜

時給¥1,300 × 9時間(8時間労働+残業1時間)日給¥11,700

日給¥11,700 × 22日出勤 + 皆勤手当¥30,000= 月収¥287,400

入社祝い金(多いところで50万円以上)・満了金(6ヶ月30万円

月収¥287,400 × 12ヶ月入社祝い金50万 + 満了金年間60万
= 年収 ¥4,548,800

派遣社員では、工場(企業)から払われる金額に、派遣会社分の利益を引いてあなたに支給されます。そのため、時給ベースでも低い金額となります。以下一例です。

〜派遣社員年収例〜

時給¥1,000 × 9時間(8時間労働+残業1時間)日給¥9,000

日給¥9,000 × 22日出勤 = 月収¥198,000

月収¥198,000 × 12ヶ月 = 年収 ¥2,376,000

単純計算で、直接契約社員(期間工)で年収450万、派遣社員で年収230万円と、倍近く違う結果となりました。さらに直接契約社員(期間工)は寮費、水道光熱費無料であるため、出費も限りなく少ないです。どちらが稼ぐことができるか一目瞭然ですね。

派遣会社経由すると祝い金がもらえる

1の直接契約社員と、3の派遣会社経由で直接契約社員になるのでは、後者の方がお得です。それは、派遣会社を経由することで入社祝い金が発生するためです。

この入社祝い金は、メーカーによってまちまちです。しかし、どーんと50万円以上入社祝い金が出る会社もあるため侮ることはできません。

出典:期間工.jp

入社祝い金は、経由している派遣会社から支払われています。工場の会社側から多少支払われることもありますが、メインは経由の派遣会社です。

1の直だと入社祝い金がない代わりに、若干時給が高いことがあります。しかし、期間工でずっと契約更新していける保証はありません。最初に入社祝い金で一気にもらった方が確実です。

派遣会社経由がお得な理由

なぜ派遣会社を経由すると、お得な入社祝い金がもらえるのでしょうか。その仕組みについて順を追って解説していきます。

①期間工を募集する

企業は期間工を募集します。期間工のように、期限の決まった社員を雇うことは、人の増減をコントロールしやすく、言い方を変えると都合が良いからです

工場では、忙しく稼働する繁忙期と、比較的暇な閑散期があります。また、景気が良く商品が売れると工場は忙しくなります。ずっと給料を払い続けなければならない社員を雇ってしまうと、簡単に解雇することもできません。そうすると、人でが不要な時にも人件費がかかってしまうリスクがあります。

期間工は一人一人に期限があるため、募集人数を調整することで、ある程度働く人数をコントロールすることができます。期間限定という条件があるため、高待遇で募集するのです

②派遣会社に人集めを頼む

工場(企業)は、工場で働く人を集めるために、派遣会社に依頼することになります

期間工が高待遇であるからといって、人がホイホイ集まることはありません。自動車メーカーであれば、自動車を作るプロですが、人材収集に関しては素人です。

仮に自動車メーカーが人材を集める部署を作って、その部署に人を雇って、お金かけて人を集めて、、、なんてしていると、大きなコストがかかります。人材収集は人材収集のプロにお任せした方が効率が良いのです。

③派遣会社は祝い金を使って人を集める

人材収集を依頼された派遣会社は、人を集めなければなりません。人を集めるために用いるのが入社祝い金です。高額の入社祝い金を用意することで、人をたくさん集めることができます。

人を集めることができる派遣会社には、いろんなメーカーから依頼がきます。このようにして、大手派遣会社は実績と信頼を積み重ねて、どんどん入社祝い金を振る舞います。

④だから派遣経由が良い

この仕組みをうまく利用することによって、私たちは高額の入社祝い金をGETすることができます

派遣会社は、企業から人材収集の依頼をもらった時点で派遣会社分の利益を確保しています。そのため、私たち期間工から給料を中抜きすることはありません。期間工として工場で働き始めると、派遣会社と関わることはほとんどありません。

このようにして、入社祝い金は成り立っています。期間工が入社するだけで、大金が手に入りますが、決して怪しいお金ではありません。派遣会社の人集め戦略の一環として行われているだけなので、私たちは上手に利用するだけです。

仕組みとして、派遣会社が入社祝い金を払っているため、派遣会社を経由しないと入社祝いが発生しないのです

まとめ

・工場で働くには、直接契約社員(期間工)と派遣社員がある
・直接契約社員(期間工)の方が倍近く稼げることもある
・派遣会社経由で期間工になると入社祝い金が出てお得

期間工で働くには、派遣会社を経由して応募するのが最もお得です。これは知らなければ、入社祝い金をまるまるもらい損ねることになります。

せっかく入社祝い金をもらえる仕組みがあるので、賢く利用していきましょう。